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岡野工業 その2

山下ミツ商店の山下浩希です。

岡野工業の岡野社長を見送り「良い講演だったね」と仲間と話しているとき岡野社長から「今、和倉温泉駅にいるんだけど、講演のとき皆さんに見せた注射針を返してもらうのを忘れたので後で会社に送って欲しい」と電話が入った。

「あ、そうだ。お返しするのを忘れてた。ゼミが終わったら送ろう」と担当の村上さんに伝えると「山下さん、注射針が見つかりません」。「え?まさか・・・」と一瞬いやな予感がしたが「別の担当者がもっているのだろう」と軽く考えそのまま続くゼミの運営をしていた。

翌日の夕方、2日間のゼミが終わった。その時に未だ注射針が見つかってないことを思い出した。「やばい。今探さなくてはゼミ会場は次のイベントの設営が始まってしまう」スタッフで探したが見つからなかった。「どうしよう・・・。せっかく企画して来て頂いて出席者の皆さんからも喜んでいただいたのに最後にこれかよ・・・」

岡野工業の窓口の宇田川さんに電話で事情を話すと「えーー?困ります。あれには父の技術が詰まっているんです。本当に困ります」と困惑された。

翌朝、宇田川さんから岡野社長に電話するよう言われ電話した。「お前、何という事をしてくれたんだ!俺の技術を盗もうとしている奴は何処にでもいるんだ!どうしてくれんだ!」電話だから見えないが物凄い剣幕で叱られた。

ただ只管謝り「もう一度改めて探しますから3日間時間を下さい」とお願いし電話を切った。

改めて探すと言ってもゼミ会場はもう別のイベントが開かれ探しようがない。こうなると運営委員一人一人の記憶を頼りに思い当たる所(スタッフのノートに挟まっているのでは?とか、注射針を置いたシーツに付いたままでクリーニングに出したのでは?)を探すしかない。

それでも見つからず最後はゼミに出席してくださった700名近くの方々に事情を説明し情報提供をお願いする葉書を出そうということになり印刷した。そして郵便に投函しようとしていた時、芝寿しの梶谷社長が心配し電話をくれた。経過を話すと「そんな葉書を出したら逆に岡野社長が恥をかくから出してはいけない。今度、僕も一緒にお詫びに行ってあげるよ」と言ってくださった。

3日経っても結局見つけられず、自分が岡野社長に出来ることは直接お詫びすることしかないと思い翌朝電話した。岡野社長からはまた物凄いお叱りを受けた。「私には弁償も出来ません。今、私が岡野社長に出来ることはおわびしかありません。今日の夕方、お詫びにお伺いします。お会いしてください」とお願いしたが「俺も忙しいんだ。来るな」と言われた。

電話を切り夕方の飛行機の手配をした。

(つづく)


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